TFC受圧体工法(概要)

TFC受圧体は、法面小段に連続して施工する『擁壁型』、アンカーピッチが広い場合や法面内に施工する『独立型』の2工法からなります。また、オプションとして「ロックボルトタイプ」もご用意しております。

TFCとは

TFCとは「Textile Frame Concrete」の略称であり、グラウンドアンカー用反力体として、小型の二次製品受圧板とその荷重を分散させる受圧体との組み合わせにより、従来の現場打鉄筋コンクリート受圧板よりも早く、また大型二次製品受圧板よりも廉価に施工出来る工法です。

従来、地耐力(支持力)が不足している現場では一般的には「栗石」等で荷重を分散させる「置換工法」で解消していますが重量物の積み上げや形状保持枠が必要となります。TFC受圧体工法は「栗石」と同等の機能を有し、型枠材には布製型枠、充填材には一般普及品であるコンクリートやモルタルを使用することにより廉価で施工性に優れ且つ短期間施工で反力体造成を実現することが可能です。

 

TFC受圧体工法の特長

①現地での型枠加工を必要としないため、作成工程が短期間
②構成部材が軽量で種類も少ない
③工場加工品であり、品質が安定している
④施工管理期間が短く、また品質出来形管理の手間がかからない
⑤大きな不陸調整機能を有す
⑥廃材が少なく、環境負担が小さい

工法概念図

 

TFC受圧体の種類

TFC受圧体は「擁壁型」と「独立型」の二種類があります。

擁壁(R)型
法面小段に連続して配置する場合に用い、山脚の保護効果も期待できます。また、アンカー軸に対し斜めに受圧体を配置する際も、連続的に配置することが可能です。

独立(B)型
アンカーピッチが広い場合や法面内に施工する場合に用います。形状的に、擁壁型と比較して圧迫感が緩和されます。

TFC受圧体の規格

擁壁型(Rタイプ)の規格
掘削面勾配 1:0.6/受圧体前面勾配1:0.3
A:必要受圧面積に対して、t:受圧体厚を10cm単位で作成

独立型(Bタイプ)の規格
等厚の独立体
A:必要受圧面積に対応して、t:受圧体厚を10cm単位で作成
二次製品小型受圧板はb =1.00m、b =0.60mの二種類あり

アンカー工1本当たりの引張力、施工角度、ピッチおよび配置面の形状(掘削面形状や法面形状)、地盤反力に応じて、受圧体の厚さが決定されます。

TFC受圧体の選定

TFC受圧体の構成部材

施工状況

擁壁型(Rタイプ)

独立型(Bタイプ)

小型受圧板の特長・規格

「保護性さび(※)」を生成する耐候性鋼を素材としており、高強度で一般鋼材より耐久性に優れています。
※耐候性鋼のさびの一部が徐々に地鉄に密着したさびの状態であり、このさび(安定さび)が水や酸素の透過を防止し、腐食反応を抑制する保護膜になります。→亜鉛メッキ等の表面防錆処理は特に必要ありません。(出荷時は表面に塗装を施します)

ガイドパイプの構成部材

TFC受圧体の規格

布製型枠の物性

出荷時荷姿

仮設置状況

※材質 ポリエステル

注入充填材

注入プラント例

注入打設状況例

※注入材・配合の選択については受圧体規格、現地条件等に応じて検討し(試験練により)決定すること。

TFC受圧体の施工手順

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